こんにちは!
今回は暮らしやすい住まいを作るテーマで、「家事動線」についてのブログになります。
まずは「生活動線」といった言葉を聞いたことがありますか?
これは、日常生活で人が移動するときに自然に通る経路を線で表したものになります。
生活動線が短ければ短いほど、家の中の移動が少なくなり、暮らしやすい間取りになります。
生活動線をさらに細かく分けると、以下の4種類に分類されます。
・「家事動線」
・「衛生動線」
・「来客動線」
・「帰宅(通勤)動線」
なかでも、暮らしやすさに影響するのが「家事動線」です。
家事は毎日行うものであり、時間も労力もかかるため、家事導線を意識した間取りにすると家事の時短につながります。
家事が時短になれば以前よりも家事をすることのストレスが軽減されて、日々の暮らしがより快適なものになるでしょう。
■家事動線を意識した間取り決めのポイントについて
家事動線を意識した間取りにする際に、押さえたい3つのポイントを紹介します。
➀家事動線に合わせた収納スペースを設置する
収納スペースは「数」だけでなく、「どこに配置するか」が暮らしやすさに大きく影響します。
例えば、食品ストックをキッチンから離れている場所に配置してしまうと、行き来する手間がかかります。重たいお米を持って、家中を移動するのも一苦労です。食品ストックができる収納スペースは、キッチンからすぐに取り出せる場所に配置するのが基本といえます。
他にも家事動線の1つである「洗濯動線」も重要です。洗濯物も畳んで収納スペースにしまう際に「この動線に家族のクローゼットがあったら便利だな」とイメージしながら、収納スペースを確保しましょう。
②移動距離はできるだけ短く
家の中を行ったり来たりを減らすために「家事動線は短く、コンパクトに」を意識しましょう。
例えば、「ランドリールーム」を設計して洗濯機の設置スペースに洗濯物を干したり畳んだりできるスペースを確保すると、洗濯に関する一連の流れが洗面脱衣所だけで完結できます。「ランドリールーム」の広さが確保できない場合は、「浴室乾燥機」を設置することもオススメです。
1階で洗った洗濯物をわざわざ2階のベランダに運んで干す…といった作業が不要になります。
また、キッチンで出た生ゴミ等を屋外のゴミ箱で保管したい場合、キッチンに勝手口を作るだけで外に出る移動距離が短くなります。雨が降っていても気にせずに、屋外のゴミ箱に運べます。
このように移動距離を短くする間取りを意識するだけで、1つ1つの家事効率がアップします。
③回遊動線を取り入れる
回遊動線とは行き止まりがなく、家の中をぐるぐる回ってスムーズに移動できる動線のことです。
例えばリビングからキッチン、キッチンから洗面脱衣所・お風呂、洗面脱衣所・お風呂から廊下、廊下からリビング…といったように2方向から出入りできる間取りです。回遊動線を取り入れると移動が近道になり、効率的な家事動線になります。
そういったメリットから、回遊導線を意識した間取りは近年よく取り入れられるようになってきました。
■間取り決めで意識したい3つの家事動線について
家事と一口で言っても、料理や洗濯、掃除など、さまざまな種類があります。
間取り決めの際は、特に3つの家事動線について意識することでより暮らしやすさが向上します。
➀洗濯動線
洗濯動線は「洗う・干す・畳む・しまう」の一連の行動を指します。それぞれの動作を行う場所がバラバラで移動距離が離れていると、洗濯動線の効率が悪くなり、行ったり来たりする動作が多くなります。洗濯動線を効率良くしたいときは、次の3つを意識すると良いでしょう。
・洗濯機と洗濯物を干す位置を近くに配置する
・キッチンと洗面所の距離を近くする
・家族の洋服を収納する場所をできるだけ一箇所にまとめる
この3つを意識するだけで、洗濯の作業が今までよりも楽に感じるようになります。
②調理動線
調理動線は、買い物・食品の収納・料理・片付け・ゴミ出しなどの一連の行動です。調理導線がコンパクトにまとまると、食事前後の流れがスムーズになります。
またキッチンのタイプによっても、この調理動線が良くなります。最近特に人気なのが、キッチン回りに回遊動線が生まれる「アイランドキッチン」です。壁に接地面がなく、ぐるりと一周できるアイランドキッチンはどこからでも出入りできるので、複数人でも調理しやすく、キッチン内で人の渋滞が起きにくいメリットがあります。
ただしデメリットとして、キッチンの収納スペースが他のタイプに比べて確保しにくい、設置する際にある程度の床面積が必要などが挙げられます。狭小住宅のように床面積に限りがあると、アイランドキッチンの導入が難しいケースもあるため、住宅会社にその点をしっかり相談してから検討しましょう。
③掃除動線
掃除動線とは、各部屋を掃除する際の動きです。掃除機をかけるときに段差が多いとスムーズに掃除できません。できるだけ段差のない家にすれば、掃除機を持ち上げることなくスムーズに掃除できます。
また新築住宅を建てるにあたり、最近流行りのロボット掃除機の導入を検討しているご家庭も多いでしょう。ロボット掃除機があれば、留守中でも家がきれいになったり家事の時短になったりと大助かりです。
ロボット掃除機を導入する際は、どこを「ロボット掃除機の基地」にするかも重要なポイントになります。階段下収納や洗面台の下など、デッドスペースを活用するのがおすすめです。その点もしっかり家の設計時に検討しておきましょう。
■家事動線が良いと家事の時短につながり、暮らしやすさに大きく影響します。
暮らしやすさが向上すると家族と過ごせる時間が増えて、住んでからの満足度も高くなるといえます。
これらのポイントを踏まえた間取りを計画することで、家事の負担を軽減し、快適な生活空間を実現できます。
beansのリノベーションでは、お客様ひとりひとりのライフスタイルやご家族構成によって、
より良く暮らしやすい住まいの設計をさせていただいております。
些細な日常のお悩みなどをお話いただけましたら、住まいの設計で解決できないかを親身になってご相談せていただきます。
住まいの設計については、思いやりの心が大切だと思っております。
今の暮らしをより良くしていくことも大切ですし、
20年30年先の将来も暮らしやすい住まいにするにはどうすればいいかを一緒に考えさせていただきます。